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 早く。
2007.08.11(Sat)
07yukata.jpg



 泉鏡花の「海神別荘」という話がすごく好きで、何度も思い出す。

 海から得られる数々の宝に目の眩んだ庄屋は、富と引き換えに海の神、竜王に娘を渡す。生け贄にされた美しい娘は海の底へ輿入れしてくる。彼女海の底の素晴らしい世界の事と幸せな自分を皆に(ひどい親にも)見せたいと、地上へ一度戻る事を竜王に所望する。彼女はもうこの世のものでは無く、地上の人々から見たら恐ろしい大蛇になっていた。

 彼女は戻り、嘆き悲しみながら竜王を責めた。竜王は「悲しむものは殺す」と言う。娘は「殺すのであればあなた自らが私を殺しなさい」と返す。周りの者が娘を縛る。竜王は全く迷い無く剣を抜き娘にかざす。

 その時、娘が微笑みながら言った。「(これは原文そのまま)ああ、貴方。私を斬る、私を殺す、その、顔のお綺麗さ、気高さ、美しさ、目の清しさ、眉の勇ましさ。はじめて見ました、位の高さ、品の可さ。もう、故郷も何も忘れました。早く殺して。ああ、嬉しい。」竜王は周りの者に「(縛めを)解け」と言い剣を納め、2人は血を飲み交わして永遠を誓う。まあ、変だがハッピーエンドだ。泉鏡花節だなあ。

 私は娘に普通に共感する。殺されて構わないのは迷いのある私。竜王の鮮やかさ(涼しさ)が美しいので彼女は殺されて良いと思ったのだと思う。私も、最近そう思った。私はこの人になら殺されていいと思った。幸せとすら。思えた。
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// 23:51 // 雑記 // Trackback(0) // Comment(0)
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